交直流機初のF級電機 EF30





EF30 6最後の本線力走!“さよならEF30の旅 ”1987/3/29


山陽本線の下関-門司間を結ぶ関門海底トンネル。同線専用の機関車として当初は、直流方式のEF10形電気機関車が用いられていました。
しかし、九州島内の電化は交流方式で行われることになったため、トンネルの往来と交直接続の対応に可能な、EF30形交直流電気機関車が製造されました。

1960年(昭和35年)に試作形1号機が完成、続いて量産形が1961年(昭和36年)に製造され、その後の増備車を加えると22輌が就役しました。EF30形の最大の
特徴は なんといっても海底トンネル走行による塩害を防ぐためにステンレス車体となったことで、シルバーに光るボディは非常に目立っていました。

EF30形にはこれ以外に 構造的にも大きな特徴があります。通常のF級電機には電動機が6個搭載されますが、EF30形の場合は3個、つまり1台車1電動機
方式を採用しました。

動力はWN カップリング式という独特な機構で、動輪に伝えていました。海底トンネル専用機という、話題性に富んだ機関車としてもファンの注目を浴びました。

門司-下関間6.3 キロを旅客列車は単機で、貨物列車(門司操-幡生操間10.4キロ)は重連で牽引しました。コレクションの6号機は「三菱電機・新三菱重工」
により、1961年9月22日に落成 しています。

国鉄の分割・民営が目前に迫った1987年(昭和62年)3月29日、僚機21号機と共に『さよならEF30』列車を牽引し、引退への花道を飾りました。