豊肥本線の支線の一つ、高森線。立野から高森を結んでいたローカル線で、現在は3セクの「南阿蘇
鉄道」に生まれ変わっています。ここでは比較的地味な線区での運用が多かったC12が、活躍してい
ました。
C12にとって、高森線はまさに晴れ舞台の感があったと思います。千尋の谷をアーチ橋で跨ぎ進む混
合列車は、「乗って楽し、撮って楽し」で、日本を代表する鉄道風景であったと思います。
写真に残されたC12 208。この機関車の余生には、有為転変の物語りがその後に生まれるとは――。
C12 208は用途廃止後、岐阜県で静態保存された後、大井川鐵道に譲渡されました。ここで、他の機
関車の部品供出用と成るがため、動態保存の影の功労者は、やがて記憶の彼方に消え去る運命です。