鐵道作業局 正式採用 ウォルサム懐中時計
鉄道創業時、機関手や車掌は懐中時計は非常に高値で持つことができず、今でいう小型の目覚し時計のようなものを持参して乗務していました。それから行く星霜、1897(明治30)年8月1日、逓信省鉄道局から逓信省の外局として(現業部門を独立させた)鉄道作業局が設置されました。この時に世界各国の鉄道時計として採用されていたウォルサムの懐中時計が日本でも、正式に採用されました。鉄道の運営には正確な時間が必要です。ダイヤ通りに運行する鉄道にとって、時間の精度に誤差が生じることは運行予定の乱れに直結します。これでは利用者の信用を得られないばかりでなく、事故にもつながります。鉄道作業局は公式の鉄道時計を採用するにあたり、「精度、堅牢性、携帯性、表示の見易さ」など鉄道時計として備えるべきあらゆる条件を検討しました。その結果、ウォルサムの懐中時計が、わが国の正式採用第一号の栄誉に浴したのです。コレクションの時計は生まれてから100年以上経ちますが、今でも正確な時を刻んでいます。