さちかぜ(東京〜長崎)
ヘッドマーク――。トレインマークとも呼称され、特急が特別な存在だった昭和30年代、牽引機の前に燦然と輝かせ颯爽と走る姿は、
人々を魅了しました。

収蔵品の「
さちかぜ」は、昭和31(1956)年に生まれた「あさかぜ」が連日満員のため、それを補助する目的で東京〜博多間に
昭和32(1957)年7月20日に臨時列車として誕生(毎日、運転されていた)。同年10月1日、東京と長崎を結ぶ定期列車として運用を
開始しました。

しかし、「
さちかぜ」は「あさかぜ」と“愛称が紛らわしい”との理由から名称の変更を余儀なくされ、平和都市の長崎を結んでいること
から昭和33(1958)年に「平和」と改称されました。

昭和34(1959)年7月には、「あさかぜ」が、20系客車に車種改変されるに伴い「平和」は、名門「さくら」の愛称を譲り受けることにな
りました。

所蔵の ヘッドマークは九州タイプと呼ばれる形態で、C57やC59に使用されていたものです。

松本清張の短編『拐帯行』の一説にも登場した「さちかぜ」。幸せを運ぶ風から命名された「
さちかぜ」ですが、どんな素晴らしい
“しあわせ”を旅客に運んでくれたのでしょうか――。

1957年(昭和32年)10月1日 定期昇格初日の編成(資料提供:故 西尾 源太郎)

  ←長崎 方  9レ       10レ 東京 方→
@ A B C D E F G H I
マニ
32 81
マロネ
40 3
マロネフ
29 13
スロ
54 41
マシ
29 109
ナハネ
11 3
ナハネ
11 9
ナハフ
11 15
ナハフ
11 6
ナハフ
10 97
ナハフ
11 5


1958年(昭和33年)8月4日の編成(資料提供:故 西尾 源太郎)
←長崎 方 9レ      10レ 東京 方→
@ A B C D E F G H I J K 
マニ
32 91
マロネ
40 9
マロネフ
29 101
ナロ
10 29
オシ
17 5
ナハネ
11 6
ナハネ
11 10
ナハネ
11 20
ナハフ
11 6
ナハネ
11 13
ナハフ
11 2
ナハネ
11 7
ナハフ
11 4





名門・品客では昭和31年より、愛称板は今までのホーロー製から画像の様なアルミ製に取って代わられた。労組より『差し替えの時(ホーローは)重くて適わん』との、事由によるもの
     

  日本国有鉄道 監修
     鉄道弘済会 1958(昭和33)年9月号 時刻表より


 


 「さちかぜ」を牽引する岡山駅で給水中のC62 43(広二)。同機は終生、山陽筋の優等列車の先頭に立った。 画像提供:懐かしい蒸気現役時代